アダルトチルドレン(AC) アダルトチルドレン(AC)とは

アダルトチルドレンと「不安障害」の関係ってどんなもの?

モエコ

アダルトチルドレンが幼少期に受けたトラウマ体験は、大人になってから「不安障害」の原因になることがあるんです。

不安や恐怖は誰でも感じるものですよね。

ところが、過度な不安や恐怖を感じるあまり、仕事や学業、人間関係などの社会生活に影響が出るようになってしまうことがあります。

これらを「不安障害」と呼びます。

幼少期に大きな心の傷を受けたアダルトチルドレンは、実はこの不安障害になりやすい要因を多く持っているんです。

今回は、そんな不安障害とアダルトチルドレンの関係をみていきたいと思います。

不安障害とは?

不安障害とは、過度な不安や恐怖といった感情が続くことで、日常生活に支障をきたす状態の総称です。

不安や恐怖は誰でも感じることがあります。
(たとえば試験や仕事のプレッシャーで緊張するなど)
しかし不安障害では、その不安が現実の状況と比べてあまりに強かったり、長期間続いたりします。


不安障害の種類と特徴

パニック障害

パニック障害には、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」という3つの症状があります。

パニック発作

特に理由もないのに、突然激しい不安感に襲われます。
・心臓がドキドキする
・めまいがする
・息が苦しくなる
といった症状が現れ、「死んでしまうかもしれない」という強い恐怖を感じる場合もあります。

このような症状を「パニック発作」といいます。

【パニック発作の症状】

    • 動悸がする
    • めまいがしたり、汗が出る
    • 息苦しさを感じる
    • 窒息する感じがする
    • 胸の苦しさ
    • 吐き気やお腹の苦しさ
    • 体の震え
    • 気が遠くなる感じがする
    • 自分が自分でないように感じる
    • 死ぬことへの恐怖

予期不安

パニック発作を起こしたときの苦しさから、「また発作を起こすのではないか」と不安になってしまうケースが多いです。
これを「予期不安」といいます。
パニック障害の人の多くが、この予期不安を感じています。

広場恐怖

予期不安が強くなると、万が一パニック発作を起こした場合にすぐに逃げられない場所や助けを求められない場所を恐れるようになります。
その結果、
・電車
・人混み
・エレベーター
などを強く避けるようになってしまう場合があります。

このような症状を「広場恐怖」と呼びます。
広場恐怖が強くなると、1人で外出できなくなるなど社会生活に大きな支障が生じます。

強迫性障害(OCD)

強迫性障害には、「強迫観念」と「強迫行動」という特徴があります。

強迫観念

強迫観念とは、「繰り返し頭に浮かぶ不安や恐怖、嫌な考え」のことをいいます。

例)「手が汚れている」「戸締りをしたか不安」

強迫行為

この強迫観念に対し、その不安やを和らげるために繰り返し行う行動のことを「強迫行為」といいます。

例)「手が汚れている気がするので、手を洗い続ける」
  「戸締りしたか何度も何度も確認する」

モエコ

自分でも「こんなに不安になり、繰り返しの行動を取るのは変だ」と気づいていても、その行動をやめられなくなります。
その結果、日常生活にも影響を及ぼすようになってしまうんです。

社交不安障害(社会不安障害、SAD)

社交不安障害とは、人に注目されることなどが怖くなり、会話や人混みといったものに強い苦痛を感じるといった症状が現れます。
失敗や恥ずかしい体験がきっかけになることも多いですが、自己肯定感の低さが原因の場合もあります。

恐怖を我慢しながら生活せざるを得なくなったり、
外出や人と会うことを避けるようになったりと、社会生活に影響が出ます。

全般性不安障害(GAD)

仕事や学校、日常生活のさまざまなことが過剰に気になり、強い不安や心配を抱えた状態が長期間続きます。
不安だけでなく、

・落ち着きがなくなる
・疲れやすい
・イライラしやすい
・集中できない
・頭痛がする
・うまく眠れない

といった症状がみられることもあります。

不安障害の原因

不安障害の原因は完全には分かっていませんが、さまざまな要因が組み合わさって引き起こされることが多いです。
主な原因としては、以下のようなものが考えられます。

①遺伝的要因

不安障害は家族に遺伝することがあります。
親や兄弟に不安障害を持つ人が多いと、自分もなりやすい傾向があります。

②環境的要因

ストレスの多い環境(仕事や学校、家庭でのトラブルなど)は不安を引き起こす要因となります。
また、トラウマや重大な出来事(事故や病気など)も影響します。

③心理的要因

自分自身の思考のクセが、不安を引き起こすことがあります。
悲観的であったり、完璧主義、自己否定が強かったりすると、ストレスが溜まりやすくなります。

④生活習慣

睡眠不足や不規則な生活、運動不足、アルコールやカフェインの過剰摂取は不安感を悪化させやすくなります。

アダルトチルドレンと不安障害の関係

モエコ

では、アダルトチルドレンと「不安障害」の関係を見ていきましょう。

ここまで、不安障害の種類や原因に触れてきましたが、
アダルトチルドレンは不安障害を引き起こしやすい要因をいくつも持ち合わせているんです。

アダルトチルドレンは、幼少期に親からの虐待や無視、精神的ストレスなど多くの問題を経験してきました。
そのようなトラウマ体験が、大人になってからの不安障害の原因になることがあります。

「不安障害」を引き起こしやすいアダルトチルドレンの特性

・自己肯定感が低い

・親の顔色を見て生活してきたため、不安感に襲われやすい

・幼少期に安心できる環境が無かったため、ストレスに対処する力が低下し、些細なことにも過剰に反応してしまう。

・他者からの評価を過剰に気にして、人前に出ることを避けてしまう。

まとめ

不安障害に苦しんでいるアダルトチルドレンはたくさんいらっしゃいます。

まずは、アダルトチルドレンが持つ特性は不安障害を引き起こしやすいものだと知ることが大切です。
思考のクセと向き合うことで楽になる場合も多いので、焦らずに取り組んでいきましょう。

現時点で不安障害の症状で悩んでいる方は、カウンセリングや受診などもご検討ください。
つらい状態を無理に我慢しなくて大丈夫ですからね。

次回の記事では、不安障害の対処方法についてお伝えしていきます。