「愛着障害」はアダルトチルドレンに大きな影響を及ぼしているものなんです。
•人との距離感がつかめない
•いつも不安や孤独感を感じている
それはもしかしたら、「愛着障害」が影響しているかもしれません。
愛着障害を理解することで、自分の感情や行動がなぜ起きているのかがわかりやすくなります。
自分の特性を知ることで、他者とどのように関わっていけば良いかがつかみやすくなりますよ。
今回の要点
今のあなたの人間関係に目を向け、心地よい居場所を作ることを目標にしてみよう!
愛着障害とは?
「愛着障害」とは、乳幼児期に適切な愛着関係が形成されなかったことにより、他者との関係を築くことが難しい状態をさします。
「愛着(アタッチメント)」とは、子どもが親や養育者に対して抱く、安心感や親密さの感覚のことです。
この愛着関係が適切に育まれないと、子どもは情緒的な発達に影響を受けてしまうんです。
愛着障害の原因
愛着障害の原因としては、虐待や育児放棄、親子の分離などの不適切な家庭環境が挙げられます。
また、親の精神疾患や育児ストレスなども影響してきます。
愛着障害があると、他者との信頼関係を築けず、対人関係が難しくなったり、情緒の不安定さが見られる場合が多いです。
愛着障害の種類
愛着障害には大きく分けて2つの種類があります。
一言でいうと…
・脱却制型愛着障害 → 人にめちゃくちゃ馴れ馴れしい!
全く逆の特徴ですね。
反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)
人を過剰に警戒し、他者にうまく頼ることができないタイプです。
幼少期に、養育者が育児放棄、無視、無関心といった養育をしたことが原因となる場合が多いです。
・安心できる居場所がなかった
・養育者に甘えたり助けてもらった経験が少ない
という状況により、人を信じられなくなっています。
反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)の特徴
特徴
・自己評価が低い
・他人を信用できない
・人間関係をうまく築けない
・警戒心が強い
・強い不安や恐怖を感じている
・自傷行為がみられる
・嘘をつきがち
・いつも人目を気にしている
・感情コントロールが苦手
・自己表現が苦手
脱却制型愛着障害(脱却制性対人交流障害)
人に過度に馴れ馴れしく接してしまうタイプです。
誰にでも甘えることができますが、まだ関係性ができていない人にまで抱きつくなど過剰な行動をとってしまいます。
幼少期に養育者との愛着形成ができなかったことなどが原因で、相手の注意を引こうとこのように振る舞っている場合もあります。
養育者の虐待、過干渉、感情的な態度も原因となります。
脱却制型愛着障害(脱却制性対人交流障害)の特徴
特徴
・過度な親密さを求める
・人にものすごく依存する
・対人関係でトラブルをかかえやすい
・感情のコントロールが難しい
・自分の存在価値を他者に依存することで見つけようとする
・落ち着きがない
・わがままな行動をとる
・嘘をつきがち
愛着障害の子どもがぶつかる問題
このような特徴をもつと、どんな問題が起こるのでしょうか。
情緒的・社会的発達への影響
愛着障害のある子どもは、情緒の不安定さや対人関係の難しさから、情緒面や社会的な発達に支障をきたしがちです。
自己肯定感が低く、不安感や孤独感に襲われやすい傾向があります。
また、他者の気持ちを推し量ることが苦手だったり、共感する力が弱いケースが多いです。
人間関係をうまく築けない
愛着障害により、他者を信頼できなくなります。
そのため、人間関係をうまく築くことができずに孤立しがちに…。
友達を作れなかったり、集団への不適応を起こしたりする可能性が高くなります。
勉強・行動面での問題
愛着障害は、勉強や行動面にも影響を及ぼします。
情緒的な問題から集中力が続かず、学習意欲が湧きにくくなることもあります。
また、攻撃的•反抗的な態度を示したりと、問題行動が目立つ子どももいます。
適切な支援が必要不可欠となります。
愛着障害の大人がぶつかる問題
愛着障害は、大人になってもさまざまな影響を及ぼします。
人間関係がうまく築けない
愛着障害は、大人になっても対人関係の困難さを引き起こします。
他者を深く信頼できないため、親密な関係を築くことが難しくなってしまいます。
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情緒不安定になりやすい
愛着障害のある大人は、情緒が不安定になりやすい傾向にあります。
ささいなことで強い怒りや不安を覚えたり、落ち込みやすかったりと、感情のコントロールが難しい場合が多く見られます。
人間関係で強いストレスを感じ、抑うつ状態に陥る可能性も。
過去の愛着関係の構築を、繰り返してしまう
子どもの頃に経験した「不適切な愛着関係のパターン」を無意識のうちに再現してしまうケースもあります。
配偶者や子どもに過剰に執着したり、拒絶的な態度を取ったりと、健全な愛着関係を結びにくくなる場合も。
愛着障害への治療や支援
愛着障害の子どもへの治療や支援
まずは、子どもが安心できる環境・心のよりどころが作れるようサポートをする必要があります。
同時に家族支援も重要です。愛着形成のため、親子関係の改善を目指します。
また、虐待や貧困など、愛着障害の原因となっている家族の問題にアプローチをしていくことも大切です。
愛着障害の治療の目標は、子どもと養育者の間に新たな愛着関係を築き直すことです。
安心できる人との絆を形成することで、子どもは徐々に他者を信頼できるようになり、健全な情緒発達が期待できるようになるでしょう。
専門家の支援を受けながら、地道に愛着形成を試みていく必要があります。
愛着障害の大人への治療や支援
愛着障害に苦しんでいる大人の方の場合、
・実の親との関係構築、愛着形成
ではなく、
・愛着障害の特徴により起きている、他者との関係性の問題に取り組んでいく
という部分が大切になってきます。
愛着障害の特徴を理解し、
「今の自分にとって安心できる居場所・人ってどこだろう?」
と考えてみてください。
あなたが抱える苦しさは、決してあなたのせいではありません。
そう理解したうえで、自分の特性をどのように変化させたら「安心できる居場所」が作れそうか、少しずつ取り組んでみてくださいね。
まとめ
本来は、幼少期の家庭の中で安心感や他者への信頼感を知っていくもの。
しかし機能不全家庭で育ったアダルトチルドレンは、そんな居場所を知る機会がなく大人になってしまいます。
このように形成された愛着障害が、自分でも気づいていない心の奥で今もあなたを苦しめているんですね。
まずは今のあなたの人間関係に目を向け、心地よい居場所を作ることを目標にしてみましょう。
愛着障害の特徴を参考に、もし当てはまる傾向があれば
・自分のこの考え方は愛着障害からきてるんだな
・良い人間関係を築くためには、特徴をどのように変化させてみたらいいかな
と一呼吸おいて考え、対応方法を変えながら自分に合うやり方を試してみてくださいね。
1歩1歩進んで行きましょう。
・生きづらさを抱えている
・親子関係、人間関係に悩んでいる
・自分らしい人生を歩むヒントが欲しい
そんなときは、いつでもご相談くださいね。