共依存って、なかなか自分では気づけないものなんです。
あなたは自分が「共依存」に陥っていると感じたことはありますか?
自己肯定感の低さや自信の無さ、承認欲求などを満たすため、知らず知らずのうちに共依存関係に陥っていることはよくあります。
共依存は決して健全な人間関係とはいえません。
もし今、周囲の人間関係に違和感や苦しさを感じている方は、自分に当てはまっているかチェックしながら読んでくださいね。
自分の状況を見直し、苦しい人間関係を改善するきっかけ作りをしていきましょう。
共依存とは?
では最初に、共依存がどのようなものかをみていきましょう。
共依存とは
「共依存」とは、特定の関係において、双方が相手に過度に依存してしまう状態を指します。
共依存の関係では、相手の感情や行動に過度な影響を受けてしまうのが特徴です。
例えば
①依存症のパートナーを支える
アルコール依存症の夫がいる妻が、夫の問題を隠したり、代わりに責任を負ったりしてしまう。
妻は夫の世話を焼くことで自分の価値を見出し、夫もそのサポートに依存することで問題が悪化する。
②過干渉とコントロール
親が子どもに対して過度に介入し、子どもの自立を阻む。
親は子どものためと信じているが、結果的には子どもの成長と自立を妨げる。
③相手の感情に左右される
恋人や友人の感情に対して過剰に敏感になり、自分の感情や行動が相手に完全に依存してしまう状態。
例)「相手が幸せなら自分も幸せ」、「相手が悲しいなら自分も悲しい」
共依存の関係は、一見すると献身的・サポート的に見えることが多いですが、実際には不健康な依存関係を生んでいます。
解消するためには、お互いに自立し、健康な境界を築くことが重要です。
共依存が生まれる原因
共依存を引き起こす原因には、以下のようなものが影響していると言われています。
家庭環境
子どもの頃に家庭内で適切な愛情やサポートを受けられなかった場合、大人になってからも他人の承認や愛情を強く求める傾向が出てきます。
特に、親が依存症や精神的な問題を抱えていた場合、子どもは親を助ける役割を担うことが多く、その経験が大人になってからの共依存につながりやすくなります。
自己評価の低さ
自己評価が低い人は、自分自身の価値を認められず、他人からの承認や愛情を求めることで自分の存在価値を見出そうとします。
そのため、他人に依存しやすくなり、共依存関係に陥るリスクが高まります。
過去のトラウマ
過去に経験した心の傷やトラウマ(虐待、いじめ、喪失など)が原因で、自分に自信を持てず、他者との関係で安心感を求めるようになります。これが共依存の原因となることがあります。
過度の責任感
他人を助けることに強い使命感を持つ人や、他人の問題を自分が解決しなければならないと感じる人は、相手に過剰に依存するようになる場合があります。これにより共依存の関係が形成されます。
暴力をふるうパートナーに対して、「でもあの人には私がいなきゃダメなの」と離れられないケースも共依存ですね。
不安や孤独感
強い孤独感や不安感を抱えている人は、他人との関係に過度に依存し、その関係が失われることを恐れるあまり共依存状態に陥ることがあります。
共依存が及ぼす影響
精神的・感情的な負担がかかる
共依存の関係は非常にストレスがかかり、精神的・感情的な負担が大きくなります。
相手の感情や行動に過度に影響されるため、常に相手の気分に合わせることが求められ、自分自身の感情が不安定になります。
これが長期にわたると、うつ病や不安障害などを引き起こすこともあります。
自己成長ができなくなる
共依存の関係では、自分自身のニーズや目標を犠牲にしてまで相手に尽くすことが多くなります。
このため、自分が成長する機会が奪われ、自己実現が困難になります。
たとえば、キャリアの目標を諦めたり、自分の趣味や好きなことをする時間がなくなったりします。
健康な人間関係の構築が難しくなる
共依存のパターンが定着すると、他の人間関係にもその影響が及びます。
健全で対等な関係を築くことが難しくなり、新しい関係でも同様の依存パターンが繰り返される可能性があります。
このような対人関係のパターンを身につけてしまうと、友人関係・職場での人間関係などにも問題が生じ始めます。
共依存の影響って大きいんですね…。
共依存を断ち切る方法
では、自分が共依存状態にあると気づいたらどうしたら良いのでしょうか。
以下を参考にしてください。
①共依存の状態に気づく
自分が共依存状態にあると、それが異常な関係だと気が付くのはなかなか難しいです。
何か違和感を感じたり、相手との関係に苦しさを感じる場合は一度立ち止まり、自分の状態を確認してみましょう。
自分の行動や感情を振り返り、相手に対して過度に依存していないか、相手の問題を自分が解決しようとしていないか思い返してみましょう。
日記を書くなどして、自分の感情や行動を記録すると客観的に見直す手助けになりますよ。
信頼できる第三者に、相手と自分の関係性について意見を聞くのも良いですね。
他人の視点から見たときに、自分の関係が不健全であるかどうかを知ることができます。
②相手と適切な距離を保つ
共依存関係では、相手との距離感がありません。
だからこそ、適切な距離を保つ練習が必要不可欠です。
相手につられて自分を後回しにしないよう気をつけたり、過剰な甘えや要求をしないよう心がけることが大切です。
相手の問題や感情に過度に巻き込まれていないか、自分自身の時間やエネルギーを犠牲にしていないかを確認しましょう。
③境界線を引く
自分と相手の境界線をはっきりと引くことも重要です。
自分の領域を明確にすることで、相手に過度に同調したり従属したりしなくなります。
例えば、「私はこの行動は嫌だ」と、はっきりと意思表示をすることで、自分の領域を守ることができるのです。
④自分自身を大切にする
共依存からの開放されるためには、自分自身を大切にすることが必要です。
自分の感情に素直になり、心の声に耳を傾けることで、健全な自己愛が育ちます。
趣味に没頭したり、自分へのご褒美をしたりと、自分へのケアを意識的に行いましょう。
⑤カウンセリングを受ける
共依存からの回復は、ときに一人で行うのは難しい場合があります。
そのような時は、カウンセリングやセラピーを受けてみましょう。
依存の原因や対処法などについて、専門家から適切なアドバイスをもらうことで、回復への近道になりますよ。
まとめ
共依存は自分では自覚しづらいものです。
もし相手との関係がとても苦しく感じたり、
自分の時間や感情の多くを相手に縛られていると感じたら、一度相手との関係を見直してみましょう。
あなたの人生はあなたのものです。
誰かに縛られて生きなくても大丈夫なんですよ。
・人との距離感がわからない
・共依存関係に陥っているかも
そんな不安を感じたら、お気軽にご相談ください。