人間関係…いろいろありますよね。
でもそれって、あなただけが原因ですか?
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
これはアドラー心理学で根底にあるとされる概念です。
そう、これほどまでに人間関係は深い問題なんです。
そして人間関係で問題が発生したとき、優しい人や我慢強い人ほど
「私の対応が悪かったんじゃないか…」
「私は人間関係がうまくないから…」
と自分を責め、どんどん自信を失くしてしまいます。
でもちょっと待って!!
あの人とうまくいかないのって、本当にあなただけに問題があるのでしょうか?
反省ももちろん大切ですが、実は相手に大きな問題があるケースもたくさんあるんです。
相手の傾向と対策を知る。
これがあなた自身を守ることにつながります。
今日は「攻撃性が高い人」についての理解を深める1冊です。
今回の本はこちら!
他人を攻撃せずにはいられない人
『他人を攻撃せずにはいられない人』概要
【著者】
片田 珠美
【こんな人におすすめ】
*人間関係に悩みがある人
*そのせいで落ち込んでしまう人
*高圧的な人によくターゲットにされる人
【著者のその他の作品】
『他人を攻撃せずにはいられない人』内容
暴言を吐く、支配したがる、けなして自信を失わせる、優しいようで水面下で工作している、一見目立たない人を含めて、あなたの周りにはとんでもない人が隠れているかもしれない。本書では、精神科医として「ターゲット」にされて、痛い目に遭った患者たちから聞いた、人を陥れる「攻撃欲の強い人」を事例で紹介。ターゲットの心をどんなふうに壊していくのか、その手法を取り上げて分析する。「攻撃欲の強い人」とはどんな人か。多くの場合、攻撃される側は、ターゲットが抵抗できないが、それは一体なぜなのか。何のためにそんなことをするのか。結果どんな影響を及ぼすのか。はたして、攻撃欲の強い人と、どう向き合い対処すべきか。本書で明らかにする。自分のために、人生を台無しにされないために――職場や家族に潜む「害になる人」の精神構造を知る!
引用元 『他人を攻撃せずにはいられない人』』片田珠美著、PHP新書出版(2013年12月2日)
この本『他人を攻撃せずにはいられない人』を一言でまとめると、
ポイント
「攻撃性の高い人」についての理解を深め、自分の身を守る方法を学べる本
です。
著者で精神科医の片田珠美さんが出会った患者さんの様々な事例を通し、攻撃性が高い相手、攻撃対象になってしまう人、その手の内や対処方法などが分析された1冊となっています。
作中での事例
事例として
・息子の夢を打ち砕こうとする父
・妻の自立を阻もうとする夫
・有能な部下をのけ者にする上司
など、誰の身にも起こりうるわかりやすい事例があげられています。
「これわかる~!」と思わず言ってしまいそうになる事例がたくさんあげられていますよ。
攻撃対象(ターゲット)にされる側の問題
自分はいつもターゲットにされる側だ…
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
本書では、ターゲットにされやすい側の特徴についても触れられています。
「自分に自信がなく、愛情欲求の高さから拒否されることを強く恐れる。」
この傾向のある人は、気づかぬうちにターゲットにされてしまう可能性があります。
この傾向。アダルトチルドレンの特徴にそっくりですね…。
感想
攻撃性の高い人の特徴を知る
この本は事例が数多く記載されているため、とても読みやすい構成になっています。
読み進めると、
「あーこんな人、私の周りにもいる!」
「これはあの人のやっていることにそっくり!」
と、まるで自分の身の回りのことを言われているかのような内容のオンパレードです。
全く他人事とは思えません。
そしてもう1つ面白いことに、これは患者さんの身に起きた事例なのですが、
心が辛くなり精神科を受診されるのはもれなく「ターゲットにされた人たち」なんです。
そう。
「自分は攻撃性が高くて、人を傷つけてしまうんです…」
と受診する人はほとんどいないんですね。
自分の攻撃性・非には気づかず、ひたすらターゲットを責めつづける。
これが攻撃性の高い人の特徴です。
改心したり、非を認めて関係構築に向けた話し合いを…
というのは悲しいことに幻想ということになります。
人間関係がうまくいかず、「こんな自分なんてダメだ…」と自分を責めてしまう傾向がある方は、まずは客観的に相手の特性を知ることから始めるのが大切だと感じました。
自分を守る方法を考える
相手の特性や傾向を知ったら、次にそのような人たちから自分の身をどう守るかが大切になります。
本書では、「かわし方、逃げ方、自分の守り方」が書かれていますので、
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
人間関係って、自分のこととなると客観的に見るのが難しいですよね。
そして、
・自分の我慢が足りないから
・自分が無能だから
・もう少しコミュニケーションが上手かったら
と自責の沼に陥りがちです。
ただ、精神科医が事例として「こんなケースは、相手の攻撃性の高いケースですよ」と教えてくれる本書は、自分の場合も異常な事例だったんだと気づかせてくれるきっかけになるものだと感じました。
人間関係に悩み自分を責めがちな方は、ぜひ一度手に取ってみることをおススメします。