
「完璧主義」って真面目でしっかりしているような良いイメージがあるけど…。
「完璧主義」と聞くと、どんなイメージを持つでしょうか?
・しっかり者
・仕事や勉強ができる
・頼りになる
こんな風に良いイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
完璧主義には、確かにこのような良い面もあります。
ただ、度が過ぎると完璧を目指しすぎるが故に、自分や他者を追い込み過ぎて生きづらさを抱えることも多いんですね。
さらにアダルトチルドレンは、この完璧主義の傾向を持つ方が非常に多いんです。
今回は、完璧主義とアダルトチルドレンの関係について見ていきましょう。
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完璧主義とは?

ではまず、完璧主義とはどのような考え方なのでしょうか?
ご自身に当てはまっていないか確認してみてください。
完璧主義とは、
・ミスや欠点があってはいけない。
・常に高い目標を達成しなくてはいけない。
といったように、極端に高い基準を自分や他者に求める性格や考え方のことをいいます。

完璧主義な人の特徴
完璧主義な人には、一般的に以下のような特徴があります。
・プライドが高い
・失敗を極端におそれる
・責任感が強く、頑張りすぎ
・人に頼るのが苦手
・「~すべき」という考え方をする
・小さな成果を認められない
・物事を先延ばしにしやすい
・自分に厳しく、達成感を感じにくい
・他人にも高い基準を求める
・考え方に柔軟性がなく頑固

当てはまる項目が多い人は、完璧主義の傾向が強いといえますね。

良い面と悪い面がある
完璧主義が一概に悪いわけではありません。
ただ、その度合いが強すぎると自分や他者をどんどん追い込んでしまうんです。
完璧主義の良い面と悪い面の例を見てみましょう。
例
良い面 | 悪い面 |
---|---|
仕事が丁寧でミスが少ない | 小さなミスでも強い自己嫌悪に陥る |
質の高い成果を目指す | 疲れやすく、精神的に追い詰められる |
向上心がある | 行動を起こす前に怖くなり、先延ばしすることがある |
良い面に注目するか悪い面に注目するかで、けっこうとらえ方が変わってきますね。


良い面ばかりでも、悪い面ばかりでもないんですね。
上手く作用すれば、仕事で高い成果を出される方も多くいらっしゃいます。
完璧主義がしんどくなる理由とは?
①高い基準を求めすぎる
完璧主義の人は、自分にも他者にも高い基準を求めます。
少しのミスを許せない。
やってもやっても「まだまだこれではダメだ…」と満足できない。
このような考え方を続けていると、次第に強いストレスや疲労を感じ大きな負担がかかります。これでは心身の健康を保つのは難しいですよね。

②満足する瞬間がない
完璧主義の人は向上心が高く、高い成果を出すことも多いです。
しかし、もっともっとと常に高みを目指すということは、達成感や充足感といった満足した気持ちを得られないとも言えます。
どれだけ頑張っても満たされない人生は苦しいですよね。

③自己肯定感が下がる
周囲から見れば高い成果を出しているのに、自分ではその結果を認められない状態だと自己肯定感がどんどん下がります。
これは事実と本人のとらえ方がかけ離れており、認知の歪みとも言えます。

④失敗が怖い
完璧主義の人は、失敗を強く恐れる傾向があります。
その不安感から強いストレスを感じたり、新しいことに挑戦できなくなることも。
完璧主義の人の中には、部屋の片づけが苦手な人も意外と多いそうです。
「完璧に片づけなくちゃ!」と思うあまり、何から手を付けていいかがわからなくなり、結果片付けそのものに取り掛かれないんだそうです。
まずは完璧じゃなくてもやってみるのが大切な場合もありますね。

完璧主義になる原因とアダルトチルドレン
幼少期の経験や環境
完璧主義になる背景には、幼少期の経験や環境が大きく関わっています。
・常に「もっとできるでしょ!」と期待されていた。
・「失敗=ダメなこと」と思う経験があった。
・周囲からの評価を過度に気にする環境で育った。
・親から褒められる経験が少なかった。
・他の兄弟や友人と比べられることが多かった。
・親自身が完璧主義だった。
このような経験や環境の影響を強く受けると、
「今の自分のままではダメなんだ!」
「もっと完璧でなければならないんだ!」
と思い込むようになります。

完璧主義とアダルトチルドレン

では、なぜアダルトチルドレンには完璧主義の人が多いのでしょう。
アダルトチルドレンが育った家庭では、上記のような子ども像を求められてしまうケースが多いことも原因の1つです。
また、機能不全家庭で育つと、失敗や弱さを責められたり、十分な愛情を感じられない経験が多いです。
すると自己価値を「完璧さ」で保とうとする傾向が強くなります。
・怒られないためには失敗してはいけない。
こんな風に「愛されるためには欠点を見せてはいけない」と無意識に思い込み、完璧主義の傾向が強くなってしまうんですね。

完璧主義と上手く付き合う方法
完璧主義は、やめようと思っても簡単にはやめられません。
ただ、工夫することで少しずつ和らげていくことはできます。
自分にやれそうなことからちょっとずつ試してみてくださいね。
①自分に完璧主義の傾向があることを知る
完璧主義の人は、自分が完璧主義だと気づかず苦しさを抱えていることが多いです。
まずは自分の考え方の傾向を知り、自分を追い込み過ぎていると感じた時はいったん立ち止まる意識を持つことが大切です。
自分を知ることが、生きづらさを手放す大きな1歩です。

②完璧ではなく60%できていれば上出来と考える。
完璧主義の人は、100%を求めがち。
「もっともっと」が加速しそうなときは、「60%できてれば上出来!」と自分に声かけをしてみてくださいね。

③できたことに目を向ける
完璧主義の傾向が強いと、たくさんのできたことよりもできなかった1つのことに目を向けて落ち込みがちになります。
今日あなたができたことはなんですか?
どんな小さなことでも構わないので、ノートや手帳の隅に書き出してみてください。実はやれていることがたくさんあるはずですよ。

④ミスは「成長のチャンス」と考えるようにする
世の中に1度も失敗をしたことがない人はいません。
ミスをしたということは、あなたが何かに挑戦したり頑張っている証です。
そして、失敗したからこそ得られる経験や気づきもたくさんありますよね。
ミスを成長のチャンスととらえることで、自分がレベルアップしていると前向きに考えやすくなりますよ。

⑤助けを求める勇気をもつ
完璧主義の人は全てを自分で抱えようとしがち。
でも、人を頼るのは悪いことではありません。
始めは小さいことからでも大丈夫。
困った時に「助けてほしい」と言う勇気を持ってくださいね。

まとめ
良い面と悪い面を併せ持つ完璧主義。
もし苦しさを抱えているのなら、その完璧を求める度合いを少しずつ下げる練習をしてみてください。
あなたは十分に頑張っています。
たまには息抜きをして、自分をいたわってくださいね。

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