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わたしたちは、どこから来てどこに行くのでしょう。
生きること、死ぬこと。
それはどういうことかを適確に説明できる人はどのくらいいるでしょうか。
私たちは知らないことに恐れや不安を抱きます。
また、大切な人を失くして深い悲しみの中にいる人もいらっしゃると思います。
生と死。
その難しくて目を背けたくなってしまうようなテーマを、葉っぱのフレディの一生を通して、優しくあたたかく教えてくれるのが今回の1冊です。
絵本ですので、お子さんと一緒に読むのもおすすめです。
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葉っぱのフレディ ーいのちの旅ー
『葉っぱのフレディ ーいのちの旅ー』概要
【著者】
レオ・バスカーリア
訳:みらい なな
【こんな人におすすめ】
*いのちについて考えてみたい人
*読みやすい本を手に取りたい人
*子どもと一緒にいのちについて学びたい人
『葉っぱのフレディ ーいのちの旅ー』内容
この絵本を、自分の力で「考える」ことをはじめた日本の子どもと、子どもの心をもった大人たちに贈ります。わたしたちはどこから来て、どこへ行くのだろう。生きるとはどういうことだろう。死とは何だろう。人は生きているかぎりこうした問いを問いつづけます。この絵本が自分の人生を「考える」きっかけになることを祈ります。本書は、アメリカの著名な哲学者レオ・バスカーリア博士が「いのち」について子どもたちに書いた生涯でただ一冊の絵本です。
『葉っぱフレディーいのちの旅ー』』レオ・バスカーリア著、童話屋出版(1998年10月22日)
この本『葉っぱのフレディ ーいのちの旅ー』を一言でまとめると、
ポイント
葉っぱのフレディの一生をとおして、いのちとは何かを考えさせられる絵本
です。
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葉っぱのフレディの一生
春。
大きな木の太い枝に葉っぱのフレディは生まれました。
陽の光を浴びながら、たくさんの友達と楽しくすくすくと成長するフレディ。
夏。
涼しい木かげを求めてやってくる多くの人の役に立ち、葉っぱの仕事にフレディは喜びを感じます。
秋。
楽しい夏はあっという間に通り過ぎ、葉っぱたちは美しく紅葉します。
でもなぜ同じ木の同じ葉っぱなのに、みんな違う色になるのでしょうか。
冬。
強い風が吹き、引っ越しをするときがやってきました。
葉っぱたちはひとり残らず、ここからいなくなります。
仲間がひとりまたひとりと引っ越していく中で、フレディはいなくなること・死への恐怖におそわれます。
そんななか、友人のダニエルがそっと語りだします。
フレディはどのような死を迎えるのでしょうか。
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春夏秋冬の移ろいと、人の一生
作中では、春夏秋冬をとおし、葉っぱのフレディの生涯が進んでいきます。
春に生まれ、仲間とともに成長する幼年期・少年期。
若く生き生きと仕事に励む青年期・成人期の夏。
これまでの人生の集大成ともいえる鮮やかな秋の壮年期。
そして終わりの冬へと向かっていきます。
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葉っぱのフレディの1年という生涯が、わたしたちの一生に例えられているんですね。
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感想
この本は私が高校生の頃に出会った1冊です。
絵本なので簡単に読めるのですが、1つ1つの文章が美しく、あたたかく、大切なことを訴えかけてきます。
アンダーラインを引くとしたら、1冊すべてにラインを引けちゃいます!
たまに読み返すたびに涙が止まらなくなり、いつも号泣です。
実はこの記事を書くために読み返して、また泣きました。
それほどこの本は、優しくいのちについてのメッセージを語りかけてくれます。
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死とはなんなのか
死の恐怖におそわれたフレディに対し、親友のダニエルが語ったいのちの話。
これがものすごく心に響きます。
・死とは世界の変化の1つでしかないこと
・変化することは自然なこと
・いのちは永遠に生きている
私たちは毎日を必死に生きる中で「生きることと死ぬこと」という根源的な問いを考えないまま、一生を走り抜けてしまいます。
そしていざ死を間近にしたとき、「わからないことへの恐怖」に心を支配されます。
どうせ死ぬんだから、これまでのことは無駄だったんじゃないかと感じる日もあるかもしれません。
でもこれまでの人生を思い返してみてください。
本当に無駄なことしかありませんでしたか?
たくさん遊び、たくさん喜び、
大切な人と過ごしたり、誰かの役に立ったり。
そういった1つ1つのことが、かけがえのない幸せだったんです。
また、春から夏に、子どもから大人になったとき、あなたはこわかったですか?
変化とはゆっくり自然に起こるものです。
死もそれと同様、人生の大きな流れの中の変化の一部でしかないととらえると、少しこわさが和らぎませんか?
そして、いのちは死で分断されることなく、次の新たないのちへと永遠につながっていくのです。
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まとめ
こんなに簡単に読めるのに心を揺さぶられる本には、なかなか出会えないと思います。
私はこれからもこの本を繰り返し読み続けていきたいです。
読んだ年齢や時期によっても心への染み入り方が大きく変わる本ですので、1冊を長く手元に置いて、何度も味わっていただきたい1冊です。