アダルトチルドレンには、実は色々なタイプがあるんです。
幼少期を機能不全家庭で育ち、大人になっても生きづらさをかかえるアダルトチルドレン(AC)。
ただ、アダルトチルドレンにも実は色々なタイプがいるんです。
アダルトチルドレンのタイプは大きく以下の7つに分けられます。
アダルトチルドレン 7つのタイプとは
- ヒーロー(英雄役・優等生役)
- ロスト・チャイルド(忘れられた子・いない子)
- プラケイター(慰め役)
- ピエロ(道化師役)
- スケープゴート(身代わり・犠牲)
- ケアテイカー(世話役)
- イネイブラー(世話役・支え役)
人によってはこのようなタイプの特性をいくつも併せ持っている場合もあります。
(むしろ併せ持つ場合が多いです)
今回は、この7つのタイプの具体的な特徴とタイプ診断をご紹介します。
自分がどのような傾向をもっているのか、理解を深めていきましょう。
アダルトチルドレンのタイプはなぜこんなにあるの?
アダルトチルドレンは、機能不全家庭で生きるために、子ども時代にそれぞれの家庭の中で「役割」を担う必要がありました。
自分を守るために、安全に生き抜くために、自分がどのような役割に徹すれば良いのかを考えて演じなければならなかったんです。
子どもなのに、生きるために役割を演じなければならないなんて辛いですよね…。
アダルトチルドレンのタイプ7つを詳しく解説
では順番に、それぞれのタイプの特徴をみていきましょう。
自分に当てはまるものはありますか?
ヒーロー(英雄役・優等生役)
ヒーロータイプは、ものすごく頑張り屋さん。
家族の期待を背負い、ずっと必死に頑張り続けてきたのではないでしょうか。
良い成績や活躍をすることで、親が喜んだり、ギスギスした家庭内が一時でも明るい雰囲気になったりしませんでしたか?
ただ、ヒーロー役を続けるためには、ずっとずっと頑張り続ける必要があります。
そのため、辛くても必死に走り続け、休み方がわからなくなりませんでしたか?
もし今でもその傾向があるならば、自分に対して「本当によく頑張ったね」とねぎらいや努力を認める声かけをしてあげてください。
そんなに頑張り続けなくても、あなたは価値ある存在なんですよ。
ヒーロータイプの診断チェックリスト
1.「もっと努力しなきゃ!もっと上を目指さなきゃ!」と自分を追い込む
2.周りから評価されると安心し、もっと褒められたいとさらに努力する
3.ミスや失敗を極端に恐がる。失敗するとひどく落ち込む
4.息抜きや休養をとることに罪悪感がある
5.リーダー、学級委員など、まとめ役になることが多い。責任感が強い
6.勉強やスポーツなどで努力をし続ける。し続けていないと焦る
7.人よりもより高く評価されたい
4つ以上当てはまった人は、ヒーロータイプの傾向があります。
ロスト・チャイルド(忘れられた子・いない子)
ロスト・チャイルドは、家族や周囲に迷惑をかけないように、または自分が被害に合わないために、意思表示をせず黙っていたりするタイプです。
家庭内で波風を立てないように、自分の存在をできる限り消すことで身を守ってきました。
存在感が薄かったり、親からすれば手がかからない子だった場合が多いです。
大人になった今でも、自分の本音を言えず孤独を選んでいませんか?
もう「いない子」を演じる必要はありません。
あなたはあなたらしくいて良いんですよ。
ロスト・チャイルドタイプの診断チェックリスト
1.大勢で過ごすより、一人で過ごす方が落ち着く
2.人間関係が苦手だと感じている
3.なるべく目立ちたくない
4.人に自分のことをあれこれ聞かれるのが嫌い
5.自分の意見や感情を表現するのが怖い
6.疎外感や孤独を感じることが多い
7.1人でできる活動に没頭することが多い
4つ以上当てはまった人は、ロスト・チャイルドタイプの傾向があります。
プラケーター(慰め役)
プラケータータイプ(慰め役)は、困っている人がいると放っておけず、聞き役に徹して慰めようとします。
混乱する家庭の中で、家族(特に母親)の怒りや悲しみに寄り添い、いつも話を聞いてあげるいわゆる「カウンセラー」のような役割を果たしていたのではないでしょうか。
ひたすら弱音や愚痴を受け止める立場にいたため、自分自身が弱音を吐くことができなくなっていませんか?
あなたも誰かに弱音を吐いていいんですよ。
いつでも人を慰める立場にいなくてもいいんですよ。
プラケータータイプの診断チェックリスト
1.圧倒的に聞き役に徹することが多い
2.「おとなしい」「物静か」と言われることが多い
3.結婚や出産に対してあまり興味がわかない
4.幼少期によく母親の愚痴を聞いていた
5.今でも母親の影響を強く感じ、離れられないと感じる
6.相手に対し「かわいそう」と感じることがよくある
7.自分から人に相談をもちかけることはほぼない
4つ以上当てはまった人は、プラケータータイプの傾向があります。
ピエロ(道化師役)
ピエロ(道化師役)は、張りつめた家庭内の雰囲気を和らげるムードメーカー的存在。
明るく面白く振る舞うことで、家族の緊張状態を必死に和ませようとしていました。
ただ、ピエロの仮面の下では、人に嫌われることをとても恐れる傾向があります。
ずっと明るいお調子者を演じてきたあなた。
自分に対して「ずっと頑張ってきたね。ほんとは怖かったし寂しかったんだよね。」と本当の気持ちを受け止める声かけをしてみてください。
安心できる環境で、あなたの本当の明るさが出せるようになりますように。
ピエロタイプの診断チェックリスト
1.幼少期から、人を笑わせようと明るく振る舞いがちだった
2.沈黙、静けさ、大きな物音、怒鳴り声がとても苦手
3.礼儀正しい、愛想がいい
4.いつもニコニコ笑っていて、笑顔をやめるのが怖い
5.自分の本心を知られそうになると動揺する
6.人との争い、競争、比較が苦しい
7.人からの評価や嫉妬が怖い
4つ以上当てはまった人は、ピエロタイプの傾向があります。
スケープゴート(身代わり・犠牲)
スケープゴート(身代わり・犠牲)は、家庭内であえて自分が悪者や問題児になることで、家族が真に向き合わなくてはならない問題から目を反らせてきました。
スケープゴートが引き起こす問題やトラブルに対応する間は、家族が団結することができます。
一方、このタイプの人は家族から責められる経験が多かったため、自己肯定感がかなり低くなりやすいのが特徴です。
スケープゴートの診断チェックリスト
- 両親や教師に対して、反抗や反発をしがちだった
- 兄弟と比較され、できない子扱いされていた
- 本当は悪いことをしていないのに、「悪者」にされた経験がある
- 自分が起こした問題で親や周囲が自分に関心を向けてくれると安心する
- 小さなことまで、自分が希望することはことごとく否定されてきた
- 小さなことで怒りが爆発しやすく、誤解やすれ違いでトラブルに発展することが多い
- 「どうせ自分なんて…」「誰もわかってくれない…」と感じやすい
4つ以上当てはまった人は、スケープゴートタイプの傾向があります。
ケアテイカー(世話役)
ケアテイカー(世話役)は、家族の役に立ちたいと、せっせとお世話をしたり気をつかうのが特徴です。
両親を助けようと必死で、幼少期から気づかいやお手伝い、弟や妹の世話をたくさんしてきました。
困っている人を見ると放っておけない反面、お世話をしたのに認めてもらえないと不安や怒りを感じたりもします。
自分のことをいつも後回しにして家族のために世話役をしてきたケアテイカー。
自分をもう少し優先してもいいんですよ。
あなた自身がしっかり満たされることで、見返りを求めなくてもいいということに気づけます。
ケアテイカーの診断チェックリスト
- 困っている人を見ると放っておけない。世話を焼きたくなる
- 「気が利くね」と褒められるとものすごく嬉しい
- 相手の気持ちを汲み取り、「思いやりがある人」だと思われるよう振る舞う
- 看護職、介護職、保育士などお世話をする職業についている
- 自分がお世話をした人に感謝してもらえなかったり認めてもらえないと、不安になったり強い怒りを感じる(見返りの要求)
- おせっかいだと言われることがある
- いわゆるダメな人を好きになりがち
4つ以上当てはまった人は、ケアテイカータイプの傾向があります。
イネイブラー(世話役・支え役)
最後に、イネイブラータイプです。
このタイプは、頼りにならない親に代わって家事や育児、介護・経済的負担を子どもが担ってきたパターンです。
「家族を支えなければ!」という使命感から献身的に尽くしますが、自己犠牲に陥りがちです。
大人になってもこの傾向が抜けず、相手に尽くし続けてしまう場合は、自分に対して「ずっと家族のために支えてきたんだよね。もうそんなに支えなくて大丈夫なんだよ」と語りかけてみましょう。
あなたは自分のために生きていいんですよ。
イネイブラーの診断チェックリスト
1.困っている人に助けを求められたら断れない
2.恋愛では、「あの人には私がいなくてはダメだ」と思いこみ、貢いだりいわゆる「ダメな人」に引っかかったりしがち。
3.強い相手、圧が強い相手の言いなりになってしまう
4.相手との関係性に違和感を感じても、突き放すことができない
5.周囲に比べ、親や兄弟とかなり親密な関係にあると感じる(共依存的)
6.見捨てられる・嫌われるということを恐れており、相手にすがってしまう
7.母性本能や保護欲が強い
4つ以上当てはまった人は、イネイブラータイプの傾向があります。
まとめ
自分の特性に当てはまっているものはありましたか?
複数の項目に当てはまった方も多いのではないでしょうか。
あなたが今抱えている生きづらさや考え方のクセは、幼少期に演じなければならなかった役割が大きく関係している場合があります。
(ただ、アダルトチルドレンであってもどのタイプにもあてはまらないという場合もあります)
子どもらしく過ごすはずの時期を、生きるために役割を演じなければならなかったアダルトチルドレン。
苦労を続けてきたあなたには、幸せになってほしいと心から願います。
まずは自分の特性や傾向を知ることから始めましょう。
そしてすこしずつ回復への道を歩み始めてほしいと思います。
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